PROJECT STORY プロジェクトストーリー 03

材料開発に取り組む中、
有意義な副産物にも遭遇
PROFILE
M.S ※名前をイニシャルで表記しています

技術部係長
2004年入社

中国における不具合の発覚
原因究明から始まったプロジェクト

入社以来技術部に所属し、自動車用内装部品の評価と立ち上げに関わってきました。特に材料や構造、品質改善の提案を行うと同時に、樹脂材料や成形に関して、お客様の困りごとに対応しています。2012年の時、自動車のフロアマットに使用する内装部品であるヒールパッドの接着強度が低下し、簡単に剥がれてしまうという問題が中国で発生しました。この部品は、それまでに約10年間(正確にいうと8年くらい)の量産実績があり、日本では一度も問題がなかったことから、中国でのトラックによる長距離輸送に問題があるのではと推測。夏場にトラック内の温度が高温になることで、製品の表面に添加剤が析出し、接着を阻害することが原因だと突き止めました。そこで、中国の夏場の長距離輸送にも耐えられる新たな樹脂材料の開発が急務となったのです。

M.S

要件性能を満たす材料と巡り合うまで、1年間試行錯誤

問題の原因を精査し、新たな材料を開発、提案することが、プロジェクト内での私の役割でした。今回の課題となった耐熱性の強化をはじめ、接着性が良いこと。またヒールパッドは足で踏む部品なので、キズが付かないようにある程度の軟らかさは必要であることと強度も重要と、さまざまな性能が揃わなければならず、10種類以上の材料で実際に部品を作り、検証を繰り返す日々。当初選定した材料は、成形で金型からの離型が悪く、すべての要求性能を満たす良好なものを作ることは困難を極めました。失敗のたびにゼロから作り直し、分析する。何度繰り返せば見つかるのか…。結局、材料の開発は1年間続きました。

望む結果のみならず多くの発見が将来性につながる

実にさまざまなことを試したことで、当初はわからなかったことが徐々に明確になっていったことは大きな成果でした。たとえば、硬さの狙いや調整方法、耐熱性や接着性をよくするためにはどうすればよいかなど、材料の特性の見当がつくようになりました。一方で、お客様サイドでも検討を進めており、お客様との共同開発という形で内容を共有。最終的にはすべての要求性能を満たした材料の開発に至りました。お客様にも喜んでいただけ、信頼関係を構築できたことは嬉しかったです。また、今回の問題解決にあたり、樹脂材料についての知見が増えたことと、硬さが微妙に狙い通りにできなかった材料が、別のヒールパッドでは良好な性能があるとわかり、採用が決定。色々試したことが無駄にはなりませんでした。さらに、材料と一緒に新たに接着剤も提案できるようになり、今後は材料と接着剤の両方で展開させたいと考えています。チャレンジできたから、新たな発見と、新たな事業に繋がったと思っています。この社風を大事に、今後もチャレンジする気持ちを大切に持ち続けたいと思います。